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セメント価格推移2026|11か月横ばいでも建設資材は合板・集成材が前年比14.6%上昇

最終更新:2026/9/23
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セメント価格推移2026|11か月横ばいでも建設資材は合板・集成材が前年比14.6%上昇

この記事でわかること

日本銀行の企業物価指数(2020年平均=100)で建設資材5品目を追うと、2026年8月時点でセメントは11か月連続で166.2から動いていません。代わりに上昇の主役になったのは合板・集成材で、前年比プラス14.6%(編集部試算)と5品目で最大です。この記事では、どの品目がいま動いているのかを数字で分け、見積りとスライド条項の当て方を整理します。

主要データ

  • セメント:166.2(2020年比+66.2%、前年比+2.3%/いずれも編集部試算)。2025年10月以降11か月連続で同値、上昇は止まっています(日本銀行「企業物価指数」品目別、2026年8月)
  • 合板・集成材:152.8(同+52.8%、前年比+14.6%/いずれも編集部試算)。5品目で最大の上昇率。2024年末の129.6を直近の底に+17.9%。ただし7〜8月は伸びが鈍っています(同)
  • 生コンクリート:161.7(同+61.7%、前年比+6.0%/いずれも編集部試算)。2026年7月・8月が2020年以降の最高値です(同)
  • 小形棒鋼(鉄筋):157.0(同+57.0%、前年比+3.3%/いずれも編集部試算)。2025年11月の148.0を底に+6.1%と反転(同)
  • 製材:140.6(同+40.6%、前年比+3.2%/いずれも編集部試算)。ピークは2021年10月の171.7で、その8割強の水準(同)

指数値は日本銀行の公表値です。前年比と底からの上昇率は、日本銀行が品目別には公表していないため、指数から編集部が試算した値です(2020年比は2020年平均=100の指数から算出しています)。

セメントは11か月動いていません

建設資材の話は「また上がった」で片づけられがちですが、品目ごとに局面はまるで違います。まずセメントです。

2026年8月の指数は166.2。2025年10月から2026年8月まで11か月連続で、1ポイントも動いていません。2022年1月の100.5から2025年10月の166.2まで一気に上げきったあと、そこで完全に止まっています。前年比では+2.3%ですが、これは1年前の上昇が効いているだけで、足元の勢いはありません。

水準そのものは高いままです。2020年平均を100として66.2%高い。5品目のなかで最も高い位置にあります。ただし「高止まり」と「上昇中」は、見積りの組み方としては別物です。セメントを理由に単価改定を求める交渉は、この11か月の横ばいを相手も見ていると考えたほうが現実的です。

この1年で最も上がったのは合板・集成材です

代わりに動いているのが木質系です。

合板・集成材は2026年8月に152.8。前年比+14.6%で、5品目のなかで最大の上昇率です。2024年末の129.6を直近の底に17.9%上がりました(129.6は2024年11月から2025年1月まで3か月続いた値です)。上げが集中したのは2026年2月の137.8から6月の152.2までの4か月で、この間に10.4%上げています。その後は7月152.7、8月152.8と、伸びが止まりかけています。

データで見る

日銀CGPI 建設資材 品目別の推移

この品目は振れ幅が大きい系列です。ウッドショックのピークは2022年6月の199.6で、2020年比ほぼ2倍まで行きました。そこから129.6まで落ち、2026年8月には152.8まで戻しています。ピーク比ではまだ4分の3の水準です。

製材も同じ向きで、2026年8月は140.6(前年比+3.2%、編集部試算)。こちらはピークが2021年10月の171.7なので、その8割強の水準です。木質系のなかでも、合板・集成材と製材で戻りの速さがはっきり違います。

鉄筋も底を打っています

小形棒鋼(鉄筋)は2026年8月で157.0。前年比では+3.3%と小さく見えますが、月次で追うと局面が変わっています。2025年11月の148.0が直近の底です。そこから12月149.3、2026年1月149.0、2月149.4、3月149.8、4月151.5、5月153.9、6月155.4、7月155.5、8月157.0と、1月にいったん下げつつも9か月で6.1%上げました。

ピークは2023年7月から8月の167.6なので、まだそこには届きません。前年比が小さいのは、1年前がちょうど下げ局面だったためです。前年比だけを見ていると「鉄筋は落ち着いている」と読み違えます。

なぜ入れ替わったのか

5品目を性格で2つに分けると、動きの違いが説明しやすくなります。

セメントと生コンクリートは、国内で製造して国内で消費する比率が高く、価格はコストの積み上げで決まりやすい品目です。エネルギー価格、人件費、物流費が上がると、それが順に転嫁されます。逆に言えば、転嫁が一巡すれば止まります。セメントの11か月横ばいは、その一巡が起きた可能性と整合します。生コンクリートが161.7と2020年以降の最高値にあるのは、セメント価格の転嫁に加えて、骨材や運搬費、ミキサー車のドライバー確保のコストが後から効いているためと見られます。

一方、木材と鉄は国際市況と為替の影響を受けやすく、上下に振れます。2022年から2024年にかけての下げも、2025年終盤からの戻りも、この振れの一部です。合板・集成材が2025年1月の129.6から2026年8月の152.8まで戻したのは、コスト積み上げというより相場の反転として見るのが自然です。

ただし、ここは指数の動きから読める範囲の解釈です。個別の需給要因まで日本銀行の統計が示しているわけではありません。

見積りとスライド条項での構え方

3点あります。

1点目。一律のスライド条項は実態に合いません。2026年8月時点で、前年比は合板・集成材+14.6%からセメント+2.3%まで、12ポイント余り開いています(前年比はいずれも編集部試算)。工事全体を1つの指数でスライドさせると、木造比率の高い工事では取りこぼし、RC造では過大請求になります。工種別・品目別に条項を分けるか、少なくとも主要資材を名指しで指定しておく選択肢があります。

2点目。木造案件では、見積り有効期限を短めに置く選択肢があります。合板・集成材は2026年2月から6月までの4か月で10.4%上がりました。7〜8月は伸びが止まりかけていますが、この品目は数か月で1割動くことがあります。見積り提出から着工まで数か月空く案件ほど、この振れを抱えることになります。長期の見積りを出すなら、資材条項を付けるか、有効期限を明示するかのどちらかです。

3点目。前年比ではなく直近数か月の傾きを見ることです。鉄筋は前年比+3.3%ですが、底をつけた2025年11月からの9か月では+6.1%です。前年比だけを根拠に「鉄は落ち着いた」と社内で説明すると、下期の予算を外します。四半期ごとに月次の指数を確認して、傾きが変わった品目だけを拾えば足ります。

資材価格の全体像は建設コストのダッシュボードで確認できます。工事費全体の推移を見るなら、国土交通省の建設工事費デフレーターと合わせて見るのが実務的です。

出典と注意点

本記事の指数はすべて日本銀行「企業物価指数」の品目別系列(国内企業物価指数、2020年平均=100)です。2026年8月分は2026年9月公表の速報値で、後の公表で遡って改定される場合があります。実際、本記事の前回版で2026年6月の速報値として載せた合板・集成材151.5・生コンクリート160.2は、2026年9月の再取得ではそれぞれ152.2・160.9に改定されていました。2020年比・前年比・底からの上昇率は、指数から編集部が計算した値です。

また日本銀行は2025年基準への改定作業を進めており、2026年6月3日に基本方針を公表しています(意見募集は2026年8月28日まで)。基準改定後は指数の水準と系列名が変わる可能性があります。

指数は全国の平均的な価格変動を示すもので、個別の取引価格とは異なります。実際の調達単価は地域・数量・取引条件によって動きます。参考値としてご利用ください。

実際の取引価格とは異なる場合があります。参考値としてご利用ください。
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