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データで見る建設コスト

建設工事費デフレーター・個別資材の企業物価指数(CGPI)・建設工事受注額のデータから、建設コストの動向を整理しています。

最終更新:2026年6月分

建設資材物価指数

125.9

-0.4%

建設工事費デフレーター(国土交通省)(2026-06)

建設総合(2020年度比)

+25.9pt

-0.4%

建設工事費デフレーター(国土交通省)(2026-06)

建設工事受注額

138,259億

-1.1%

建設工事受注動態統計調査(国土交通省)(2024-03)

木造 vs 鉄骨

126.7 / 128.8

建設工事費デフレーター(国土交通省)(2026-06)

セメント(CGPI)

166.2

+0.0%

企業物価指数・品目別(日本銀行)(2026-08)

建設投資額(出来高)

50,444億

+5.1%

建設総合統計(国土交通省)(2026-06)

建設工事費は2020年以降に大きく上昇しています

国土交通省の建設工事費デフレーター(資材費・労務費・機械経費・仮設費を含む総合指数)によると、建設総合指数は2020年を境に上昇ペースが加速しています。COVID-19によるサプライチェーン混乱、2021年のウッドショック、2022年のウクライナ情勢による鋼材・エネルギー価格高騰、さらに円安による輸入資材コスト増が複合的に作用しています。建設総合指数は2020年度基準(=100)に対し、2026年6月時点で125.9まで上昇しており、2020年度の水準と比較して約26%のコスト増を意味します。長期契約や固定価格契約を結ぶ際のリスク評価に直結します。

建設工事費デフレーターの推移

指数(2020年度=100)

出典:建設工事費デフレーター(国土交通省)

木造と鉄骨造で異なるコスト上昇パターンがあります

構造別の工事費デフレーターを見ると、木造住宅と鉄骨・鉄筋では価格上昇のタイミングや幅に違いがあります。木造住宅は2021年のウッドショック以降に急騰し、鉄骨・鉄筋は鋼材価格やエネルギーコストの影響を受けて推移しています。ただしデフレーターは工事費全体の指数(資材+労務+経費)であるため、純粋な「資材価格」の動きだけを示すものではない点に注意が必要です。構造別の価格動向の違いは、仕入れ先の分散や見積り有効期限の設定を検討する際の参考材料になります。

構造別 建設工事費デフレーター

指数(2020年度=100)

出典:建設工事費デフレーター(国土交通省)

建設工事受注額は建築工事が直近12ヶ月で約6割を占めます

建設工事受注動態統計によると、直近12ヶ月の受注額を工事種類別に見ると建築工事が全体の約6割を占め最大です。建築工事にはオフィス・工場・物流施設・住宅などの民間建築と、庁舎・学校などの公共建築が含まれます。土木工事は約3割で、公共事業の予算に左右されやすく、年度末(1〜3月)に集中する傾向があります。自社が建築主体であれば民間景況感(設備投資計画)を、土木主体であれば国・自治体の予算編成動向を営業のリード指標にすることが有効です。

工事種類別 建設工事受注額

出典:建設工事受注動態統計調査(国土交通省)

民間工事が受注額全体の約7割を占めています

発注者別に見ると、民間工事が受注額全体の約7割(直近12ヶ月で約69.6%)を占めています。公共工事は年度末(1〜3月)にかけて増加する季節的なパターンが見られます。公共依存度が高い会社は年度末の繁忙と年度初めの端境期を織り込んだ資金繰り計画が、民間中心の会社は景気変動への備えが、それぞれ経営判断のポイントになります。

発注者別 建設工事受注額

※ 発注者別データは2024年3月時点までの集計です。

出典:建設工事受注動態統計調査(国土交通省)

名目受注額と実質(工事量ベース)の乖離が拡大しています

受注額を建設工事費デフレーターで割り戻した「実質受注額(工事量ベースの代理指標)」を12ヶ月移動平均で見ると、名目と実質の乖離が拡大傾向にあります。名目の受注額がほぼ横ばい〜微増で推移する一方、デフレーター上昇分が実質を押し下げており、工事量そのものは増えていないことを示唆します。売上高の見かけの安定感に惑わされず、実質ベース(工事量)と原価上昇を切り分けて損益を見ることが、経営判断の基本になります。

建設工事受注額 名目 × 実質

名目受注額 vs 実質受注額(実線)× 資材価格指数(破線)— 12ヶ月移動平均

受注額(兆円)|資材価格指数

※ 12ヶ月移動平均で季節変動を除去しています。左軸(実線)に名目受注額と実質受注額(=名目÷デフレーター×100、2020年度価格基準)を兆円単位で表示。右軸(破線)は建設工事費デフレーター。名目と実質の差が大きいほど、資材コスト上昇の影響が大きいことを意味します。乖離=(名目-実質)/名目で、デフレーター上昇分だけ名目と実質の差が開きます。⚠️ 元データの建設工事受注動態統計(e-Stat)は統計表が廃止され、2024年3月分以降を取得できていません。出来高ベースの後継指標(建設総合統計)は本ページ内の「建設投資額(出来高)の推移」でご確認いただけます。

出典:建設工事受注動態統計調査(国土交通省) / 建設工事費デフレーター(国土交通省)

個別資材の企業物価指数:2026年8月時点で合板・集成材が前年比+14.6%と上昇の主役です

日本銀行の企業物価指数(CGPI、2020年平均=100)で個別資材を見ると、2026年8月時点で局面が品目ごとに分かれています。水準が最も高いのはセメントの166.2(2020年比+66%)ですが、2025年10月から11か月連続で同値のまま動いていません。生コンクリートは161.7(+62%)で、7月と並んで2020年以降の最高値です。上昇の勢いという点で主役になったのは合板・集成材で、152.8(+53%)・前年比+14.6%と5品目で最大の伸びです。小形棒鋼(鉄筋)も157.0(+57%)と、2025年11月の148.0を底に反転しました。製材は140.6(+41%)です。前年比は合板・集成材の+14.6%からセメントの+2.3%まで開いており、一律のスライド条項では実態に合いません。見積りの資材費を「一式」で済ませず、品目ごとの値上がり率を単価更改交渉の材料にできます。

建設主要資材の企業物価指数(CGPI)

※ 2020年平均=100。日本銀行「企業物価指数」の国内企業物価指数・品目別データから建設主要5資材を抽出。月次更新。直近数か月は速報値で、後の公表で遡って改定されます(2026年8月分の公表時に5〜7月分が改定)。2020年比・前年比は指数から編集部が試算した値です。

出典:企業物価指数・品目別(日本銀行)

工事費総合指数+26%、設計労務単価+98%——コスト上昇の複層構造

建設工事費デフレーター(2020年度=100)と公共工事設計労務単価を重ねると、コスト上昇の複層構造が見えます。デフレーター(資材費・労務費・機械経費等を含む総合指数)は2020年度基準で約26%上昇、設計労務単価は2012年度の13,072円から2026年度の25,834円へ約1.98倍(+97.6%)に達しています(うち2013年度には法定福利費相当額の反映などで13,072円→15,175円の約+16.1%改定が行われています)。ただしデフレーターには労務費も含まれるため、労務単価の上昇は総合指数に部分的に反映されている点に注意が必要です。原価管理では資材費と労務費を分けて追跡し、それぞれの転嫁状況を把握することが赤字工事を防ぐ起点になります。

建設工事費デフレーター × 設計労務単価

デフレーター(2020年度=100)|設計労務単価(円/日)

※ 左軸(折れ線)がデフレーター(2020年度=100、総合指数)、右軸(棒グラフ)が設計労務単価(円/日、全国全職種加重平均)。期間が重複する年のみ表示。2012年度を基準年とした上昇率には2013年度の制度改定分(法定福利費相当額の反映)を含みます。

出典:建設工事費デフレーター(国土交通省) / 公共工事設計労務単価(国土交通省)

建設投資(出来高)は2025年に62.7兆円、2015年比で3割増えています

国土交通省の建設総合統計によると、建設投資(出来高ベース)は2015年の47.5兆円から2025年の62.7兆円へ、10年で約32%増えています。直近(2026年6月)の単月は5.04兆円です。出来高は「その月に実際に施工された工事量を金額換算したもの」で、上のセクションで扱った建設工事受注額(契約時点で計上)とは別の指標です。受注動態統計は2024年3月分を最後に取得できていませんが、出来高ベースの建設総合統計はこの後も継続して更新されるため、長期の投資水準を追う代替指標として使えます。建築・土木の内訳では、2025年は建築が34.4兆円、土木が28.2兆円です。

建設投資額(出来高)の推移

※ 出来高ベース(その月に実際に施工された工事量の金額換算)。契約時点で計上する建設工事受注額とは別の指標のため、上記の受注額チャートの数値とは直接つなげられません。建設総合統計は毎年6月に直近3ヵ年分が遡及改定されるため、直近年の値は今後の公表で修正される場合があります。

出典:建設総合統計(国土交通省)

民間が6割、公共が4割の構成で10年間ほぼ変わっていません

建設投資(出来高)を発注者別に分けると、2025年は民間37.9兆円(60.5%)・公共24.8兆円(39.5%)です。2015年の民間28.5兆円(60.1%)・公共18.9兆円(39.9%)と比べても、構成比はこの10年ほぼ動いていません。民間・公共とも金額そのものは増えていますが、比率が一定ということは、公共投資が民間の落ち込みを下支えする局面ではなく、両者が並行して拡大してきたことを意味します。公共工事への依存度を見直したい会社にとっても民間中心の会社にとっても、「片方だけが伸びた10年」ではなかった点を踏まえて営業構成を考える材料になります。

建設投資額 × 民間・公共別

※ 出来高ベース(受注額とは別指標)。「計_民間」「計_公共」は月次の億円値。本文の年間構成比はこの月次値を年計に合算して算出しています。

出典:建設総合統計(国土交通省)

都道府県別では東京都が突出し、長崎県は352億円です

2026年6月単月の建設投資額(出来高)を都道府県別に見ると、東京都が6,859億円で突出し、神奈川県3,373億円・北海道3,047億円・愛知県3,011億円・大阪府2,896億円と続きます。長崎県は352億円で、東京都の約20分の1の規模です。単月の数字は工事の竣工時期に左右されるため月ごとの振れがありますが、地域ブロック内での自社の商圏規模を確認する材料になります。

都道府県別 建設投資額(出来高)

2026年6月時点

※ 出来高ベース(受注額とは別指標)。単月値(億円)。都道府県別データは直近60ヶ月分のみ保持しています。

出典:建設総合統計(国土交通省)

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出典:各省庁公式データ。最終更新日を必ずご確認ください。