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設計労務単価を見積にどう落とすか

公共工事設計労務単価は「何に含まれ、何に含まれないか」を誤解すると原価割れの見積になります。8時間単価から歩掛への掛け方、公共工事と民間工事での扱いの違い、47都道府県×50職種の参照表を整理しています。

最終更新:2026年(年次)

全国全職種加重平均(2026年度)

25,834円

+4.0%

普通作業員の都道府県差

8,800円

職種数(都道府県別)

最多49・最少40

参照可能な単価データ

47都道府県×50職種

設計労務単価には法定福利費や諸経費が含まれていません

公共工事設計労務単価は、所定労働時間内8時間当たりの基本給相当分だけを表した数字です。法定福利費(事業主負担分)・現場管理費・一般管理費等の諸経費は含まれていません。単価に人工数を掛けただけの数字を見積の労務費として使うと、会社として実際に人を1人動かすコストより低い金額になり、積み上げ後の粗利を圧迫します。見積を作る段階で「この単価は基本給相当分のみ」という前提を、担当者間で揃えておく必要があります。

設計労務単価の対象範囲

単価に含まれるもの

  • 所定労働時間内8時間当たりの基本給相当分

単価に含まれないもの

  • 法定福利費(事業主負担分)
  • 現場管理費
  • 一般管理費等の諸経費

見積書に単価をそのまま人工数分だけ掛けて出すと、法定福利費・現場管理費・一般管理費が 丸ごと抜け落ちます。例えば長崎県の普通作業員は21,900円(2026-03適用)ですが、 これは「その日1人を現場に出すための人件費の基本給相当分」であって、会社として 人を1人動かすための実際のコストはこれより高くなります。

出典:公共工事設計労務単価(国土交通省・農林水産省)

8時間単価に歩掛を掛けると直接労務費になります

設計労務単価を工事価格に落とすには、まず単価に必要人工数(歩掛)を掛けて直接労務費を出し、そこに法定福利費・現場管理費・一般管理費等を積み上げます。歩掛は工種・現場条件・地域慣行によって変わるため、この記事では特定の歩掛数値を「正解」として示しません。下の例は仕組みを示すための仮の人工数での試算です。実際の見積は自社の実績データか、発注者が示す積算基準・歩掛表に基づいて行ってください。

8時間単価×歩掛の計算例

計算例(2026年度 全国全職種加重平均で試算)

設計労務単価25,834円/人日
必要人工数(歩掛。工種・現場条件で変わるため仮に3人工とする)× 3人工
直接労務費77,502

この直接労務費に、単価に含まれていない法定福利費(事業主負担分)・現場管理費・ 一般管理費等の諸経費を積み上げて、はじめて工事価格になります。歩掛(1つの作業に 必要な人工数)は工種・現場の難易度・地域慣行によって変わるため、この記事では 特定の歩掛数値を「正解」として示していません。自社の実績データか、発注者が 示す積算基準・歩掛表に当たってください。

出典:公共工事設計労務単価(国土交通省・農林水産省)

公共工事は単価表が基準、民間工事は市場実勢で調整します

公共工事は発注者が公表する設計労務単価を積算のベースに使いますが、共通仮設費・現場管理費・一般管理費等の計算方法(歩掛・率)は発注者ごとに個別の積算基準を持っているため、同じ単価表を使っても発注者間で工事価格の算出過程は一致しません。民間工事は設計労務単価を使う義務がなく、自社の実行予算・協力会社との契約単価・人手不足や繁閑による市場実勢で個別に調整するのが一般的です。積算の具体的な計算方法は発注者や契約形態で異なるため、個別の判断は自社データか発注者の積算基準に当たる必要があります。

公共工事 × 民間工事の違い

公共工事

発注者(国・都道府県・市区町村等)が公表する設計労務単価を積算のベースに使います。 ただし共通仮設費・現場管理費・一般管理費等の計算方法(歩掛・率)は発注者ごとに 個別の積算基準を持っており、同じ単価表を使っても発注者間で工事価格の算出過程は 一致しません。

民間工事

設計労務単価をそのまま使う義務はなく、自社の実行予算・協力会社との契約単価・ 市場実勢(人手不足や繁閑による相場変動)を反映して個別に調整するのが一般的です。 設計労務単価は「目安」として参照されることはありますが、民間工事の見積を 直接規定するものではありません。

※ 積算の具体的な計算方法・歩掛・率は発注者や契約形態によって異なります。個別の見積・ 積算判断は自社の実績データ、または発注者が示す積算基準に基づいて行ってください。

出典:公共工事設計労務単価(国土交通省・農林水産省)

全国加重平均は14年連続で上昇し、25,834円に達しています

国交省・農水省が公表する公共工事設計労務単価の全国全職種加重平均は、2012年から14年連続で上昇し、2026年度は25,834円になりました。2013年度に法定福利費相当額の反映等の算出方法変更があったため、2013年以降の伸びには制度変更分と実勢上昇分が混在しています。全国平均だけを見ると一律に上がっているように見えますが、都道府県別・職種別に見ると上昇の幅には差があります。下の参照表で自社の営業エリアの職種を確認できます。

公共工事設計労務単価の推移

※ 全国全職種加重平均値(ラスパイレス式)。2013年度に法定福利費相当額の反映等の算出方法変更あり。

出典:公共工事設計労務単価(国土交通省)

都道府県別・職種別の単価は参照表で確認できます

以下は47都道府県×50職種の単価を職種別・都道府県別に絞り込める参照表です。50職種そろっている都道府県は1つもなく(最多49・最少40)、単価が設定されていない職種は表から除外しています(0円ではありません)。このデータは令和8年3月適用の単年データのため、前年比は掲載していません。営業エリアの県と職種を選んで、全国平均・順位と照らし合わせてください。

都道府県別 職種別 単価一覧

単価が設定されている47都道府県の平均:23,534円

順位都道府県単価全国平均比
1東京都27,000円14.7%
2石川県27,000円14.7%
3山梨県26,900円14.3%
4神奈川県26,800円13.9%
5静岡県26,600円13.0%
6富山県26,100円10.9%
7埼玉県25,900円10.1%
8千葉県25,500円8.4%
9茨城県25,400円7.9%
10岐阜県25,400円7.9%
11群馬県25,300円7.5%
12愛知県25,200円7.1%
13香川県25,000円6.2%
14長野県24,600円4.5%
15三重県24,500円4.1%
16京都府24,400円3.7%
17栃木県24,300円3.3%
18新潟県24,300円3.3%
19和歌山県24,200円2.8%
20兵庫県24,100円2.4%
21徳島県24,100円2.4%
22福岡県24,100円2.4%
23奈良県24,000円2.0%
24大阪府23,800円1.1%
25岩手県23,700円0.7%
26福島県23,700円0.7%
27宮城県23,600円0.3%
28滋賀県23,300円-1.0%
29沖縄県23,300円-1.0%
30秋田県22,500円-4.4%
31山形県22,500円-4.4%
32青森県22,200円-5.7%
33広島県22,200円-5.7%
34熊本県22,100円-6.1%
35福井県21,900円-6.9%
36高知県21,900円-6.9%
37長崎県21,900円-6.9%
38鹿児島県21,900円-6.9%
39北海道21,500円-8.6%
40岡山県21,500円-8.6%
41愛媛県21,500円-8.6%
42大分県21,000円-10.8%
43佐賀県20,700円-12.0%
44山口県20,500円-12.9%
45宮崎県20,300円-13.7%
46島根県19,700円-16.3%
47鳥取県18,200円-22.7%

単位:円/日

※ 50職種のうち、都道府県ごとに単価が設定されている職種のみ表示。順位・全国平均の分母は職種ごとに単価が存在する都道府県数(47固定ではありません)。前年比は算出していません(単年データのため)。

出典:令和8年3月適用 公共工事設計労務単価(国土交通省・農林水産省)

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出典:各省庁公式データ。最終更新日を必ずご確認ください。