データで見る建設職種の年収
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)の職種小分類から、建築技術者・電気工事従事者・大工など建設8職種の年収を、企業規模別・性別で整理しています。
最終更新:2024年(年次)
同じ建設の仕事でも、職種によって年収は226万円開いています
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2024年)で建設関連8職種の年収推計を並べると、最も高い建築技術者が641.6万円、最も低い土木従事者・鉄道線路工事従事者が415.1万円で、その差は226.5万円になります。技術者側(建築641.6万円・土木596.5万円・測量501.6万円)と技能者側(電気工事従事者547.6万円・建設躯体工事従事者506.0万円・配管従事者485.9万円・大工448.7万円)でおおむね層が分かれますが、電気工事従事者は測量技術者を46.0万円上回っており、「技術者だから高い」という単純な構図ではありません。採用の場面では、募集する職種がこの序列のどこに位置するかで、提示すべき水準が変わります。自社の提示額が同職種の全国平均をどれだけ下回っているかは、応募が集まらない理由を説明する最初の材料になります。
建設8職種の年収推計
※ 年収推計=きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額(編集部試算)。男女計・企業規模計(10人以上)の値。産業計であり建設業に限定した集計ではありません。
出典:賃金構造基本統計調査(厚生労働省、2024年)
企業規模で年収がどれだけ動くかは、職種ごとに1.07倍から1.48倍までばらつきます
同じ職種でも企業規模で年収は動きますが、その動き方は職種で大きく違います。土木従事者・鉄道線路工事従事者は1,000人以上の企業で594.9万円、10〜99人で401.4万円と1.48倍(193.5万円差)開くのに対し、大工は最も高い100〜999人の464.9万円と最も低い1,000人以上の433.6万円で1.07倍(31.3万円差)にとどまります(10〜99人は445.3万円)。規模が大きいほど高い、という並びにすらなっていません。この差は採用の競合相手がどこかを教えます。土木従事者を中小企業が採ろうとすれば大手と200万円近い差と戦うことになりますが、大工では規模による差がほとんど効かないため、賃金以外の条件で勝負できます。性別では全8職種で男性が上回り、差は建築技術者184.5万円から土木従事者87.8万円まで。女性比率は建設躯体工事従事者1.5%、土木従事者2.0%、大工2.6%と、技能職では2%前後にとどまっています。
職種 × 企業規模 × 性別の年収
建築技術者の年収推計は、企業規模3区分の間で584.0〜726.7万円の開きがあります(差 142.7万円・1.24倍)。 一つの平均値で語ると、この幅が消えます。
| 企業規模 | 男女計 | 男 | 女 | 労働者数 | 平均年齢 |
|---|---|---|---|---|---|
| 企業規模計(10人以上) | 641.6万円 | 666.5万円 | 482.0万円 | 412,760人 | 43.6歳 |
| 1,000人以上 | 726.7万円 | 772.6万円 | 503.4万円 | 106,010人 | 41.8歳 |
| 100〜999人 | 654.6万円 | 671.9万円 | 548.2万円 | 122,830人 | 42.3歳 |
| 10〜99人 | 584.0万円 | 605.9万円 | 407.1万円 | 183,920人 | 45.5歳 |
年収推計=きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額(編集部試算)。 給与は2024年6月分、賞与は前年1年間の実績です。この統計は産業計であり、建設業に限定した数値ではありません(職種で切った全産業の値)。常用労働者10人以上の企業が対象のため、 一人親方や零細事業所は含まれません。
※ 常用労働者10人以上の企業が調査対象のため、一人親方・零細事業所は含まれません。労働者数は元データの十人単位を人に換算しています。
出典:賃金構造基本統計調査(厚生労働省、2024年)
関連記事

CCUSとは|建設キャリアアップシステムの費用・メリット・経審加点まで完全ガイド
建設キャリアアップシステム(CCUS)を経営判断の視点で解説。技能者181.8万人・事業者30.9万社の現在地、4段階の能力評価、経審W点加点、登録費用と導入手順まで、国土交通省の一次データで整理します。

建設現場の熱中症対策|建設業は死傷の18.7%・死亡の39.7%(5年累計)と2025年義務化の実務
2025年の職場の熱中症は全産業で死傷1,803人と過去最多。建設業は2021〜2025年の5年累計で死傷の18.7%・死亡の39.7%を占めます。改正省令の義務と国交省の猛暑対策を整理します。

施工管理に近い職種の年収を公的統計で見る|建築技術者641.6万円・土木技術者596.5万円
施工管理に近い職種として、令和6年賃金構造基本統計調査の建築技術者は年収641.6万円、土木技術者は596.5万円。産業計の推計値です。企業規模1,000人以上と10〜99人の差142.7万円は、半分が賞与から生まれています。

特定技能「建設」とは|在留4.4万人と費用・制度の実務
建設分野の特定技能在留者は2025年6月末で44,160人。国交省の受入計画認定とJAC加入・月12,500円の負担金、技能実習からの移行、日本人同等の賃金まで、人手不足対策としての特定技能を経営の視点で整理します。

建設キャリアアップシステム 一人親方|事業者登録0円・技能者登録とのセット要件
建設キャリアアップシステム(CCUS)の一人親方は事業者登録0円・管理者ID年額2,400円。技能者登録とセットで進める判断軸、必要書類、つまずきパターン、経審との連動を2026年5月時点の公式情報で整理。

CCUSレベル判定|累計144,540件・レベル4最多の現在地と経審Z1・W点の効かせ方
CCUS能力評価レベル判定は2025年12月末で累計144,540件、レベル4最多の偏在。49分野ごとの能力評価実施団体に申請する制度の判定基準・カード色・申請の流れ・経審Z1+W点との連動を2026年5月時点の公式情報で整理。

CCUS技能者登録|簡略型2,500円・詳細型4,900円の判断軸と2027年4月一本化対応
CCUSは2026年3月末で技能者181.8万人が登録。簡略型2,500円・詳細型4,900円の判断軸、申請3ルート、必要書類、2027年4月詳細型一本化への対応まで、2026年5月時点の公式情報で整理。

建設業の2024年問題は時間外労働上限規制が2024年4月から適用、影響と中小事業者の対応論点
建設業の時間外労働上限規制(月45時間・年360時間、特例条項でも年720時間以内)が2024年4月1日から適用。2 年弱経過時点での影響と、中小事業者の対応論点を一次データで整理。

建設業の女性就業者は2024年に87万人、女性比率18.2%も技能職は4%前後で頭打ち
労働力調査2024年で建設業の女性就業者は87万人、女性比率は18.2%と過去最高水準。一方で技能職の女性比率は約4%と低く、事務職74%に集中する職種偏りが続きます。

建設業の労災死亡者は2024年に232人で前年比+9人、全産業事故型別では墜落・転落が最多188人
厚労省2025年5月公表「令和6年労働災害発生状況」で建設業死亡232人(前年比+9人・4.0%増)。全産業の事故型別は墜落・転落188人・はさまれ110人で、墜落・転落は建設業の主要災害類型。安全管理の論点を整理。

建設業の人手不足対策5選|求人倍率7.48倍時代の打ち手を公的データで比較
建設躯体工事の有効求人倍率は7.48倍(2026年1月)、建設業就業者は478万人。賃上げ・週休2日・特定技能・CCUS・ICT施工の5つの打ち手を公的データで比較し、中小建設会社が取れる優先順位を解説。

建設業の外国人労働者データ分析2025
建設業の外国人労働者受入れ状況をデータで分析。2023年14.7万人(厚労省)、国籍別ではベトナムが最多・2位インドネシア(建設業限定)、技能実習から特定技能への移行動向まで解説

建設業の年収データ分析|職種別・年代別の実態と読み方
建設業の年収は543万円(厚労省・賃金構造基本統計調査2023年)で全産業平均を上回る。職種別・年代別データと中小企業の賃金設計のポイントを整理します。

建設業の年収は高いのに人が来ない|賃金データの読み方と採用への示唆
建設業の平均年収529万円(国税庁2023年分)は全産業平均460万円を上回るのに人手不足が解消しない理由を、職種格差・日給月給・労働時間の観点から分析します。